2026年6月19日

「子どもの手や足に急にブツブツができた」「口の中を痛がって、ご飯を食べてくれない」——
そんなときに心配になるのが手足口病です。
手足口病は多くの場合、数日〜1週間ほどで自然に良くなる病気ですが、
水分がとれない、ぐったりしている、おしっこが少ないといった場合は早めの受診が必要です。
手足口病とは?
手足口病は、その名の通り「手」「足」「口」に水疱(水ぶくれ)を伴う発疹が出る ウイルス性の感染症です。夏に流行しやすい病気ですが、秋以降にみられることもあります。
多くは5歳以下の乳幼児にみられ、とくに0〜2歳のお子さんでよく見られます。 小学生の間で流行することもあります。
見た目や経過の特徴
- 感染後3〜5日ほどの潜伏期間を経て症状が出ます。
- 手のひら、足の裏、口の中の粘膜に、2〜5mm程度の水疱・発疹が出ます。おしり、ひざなどに発疹が出現することもあります。口の中の発疹は口内炎のように痛み、食事や水分を嫌がる原因になります。
- 多くは1週間程度で自然に軽快し、跡が残ることはほとんどありません。
水ぼうそう?手足口病?
初期には水ぼうそう(水痘)との見分けが難しいことがあります。
発疹の場所や見た目だけで判断しにくい場合は、早めに医療機関へご相談ください。
原因と感染経路
手足口病の原因は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルス属のウイルスです。 原因ウイルスが複数あるため、一度かかっても別のウイルスで再び手足口病にかかることがあります。
主な感染経路
- 飛沫感染:咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む
- 接触感染:ウイルスがついたおもちゃやドアノブを触る
- 経口感染(糞口感染):便に排出されたウイルスが手指を介して口に入る
主な原因ウイルスと特徴
| ウイルス | 特徴 |
|---|---|
| コクサッキーウイルスA16型 | 比較的よくみられ、軽症で経過することが多い |
| コクサッキーウイルスA6型 | 発疹が広範囲に及ぶことがある |
| エンテロウイルス71型(EV71) | まれに髄膜炎・脳炎などの重い合併症に注意が必要 |
合併症で注意したいこと
手足口病は基本的には軽症で済むことが多い病気です。 ただし、まれに次のような合併症を起こすことがあります。
- ・無菌性髄膜炎:頭痛、嘔吐、首の硬さなど
- ・脳炎・脳症:意識がぼんやりする、けいれんするなど
- ・爪甲脱落症:感染から数週間〜数か月後に爪がはがれることがある
とくにEV71が原因の場合は、神経系の合併症に注意が必要とされています。
受診の目安
手足口病には特効薬がありません。そのため、自宅でのケアが重要です。 ただし、次のような様子がある場合は受診してください。
すぐに受診(夜でも救急外来へ)
- ・半日以上おしっこが出ておらず、ぐったりしている
- ・何度も嘔吐を繰り返している
- ・高熱が2日以上続き、頭を痛がる
- ・呼びかけへの反応が鈍い、またはけいれんした
- ・息が速い、胸の動きがおかしい
- ・生後3か月未満の赤ちゃんが発熱している
翌日受診(診療時間内に)
- ・急に発疹が出て、手足口病かどうかわかりにくい
- ・口の痛みが強く、水分が十分にとれない
- ・発疹の赤みが強く、かきむしって水ぶくれが破れている
- ・発熱とともに発疹が急激に広がっている
- ・発熱が3日以上続く
自宅で様子を見てもよいケース
- ・発熱がない、または微熱程度で機嫌よく遊んでいる
- ・水分や食事がとれている
- ・発疹の痛みやかゆみがほとんどない
自宅でできるケア
水分・食事の工夫
- おすすめ:ゼリー、プリン、冷ましたスープ、豆腐、うどんなど、噛まずに飲み込みやすいもの
- 避けたいもの:柑橘系ジュースなどの酸味が強いもの、熱いもの
- 水分補給:麦茶やイオン飲料を、スプーンなどで少しずつこまめに
そのほかのポイント
- ・爪を短く切り、かきむしりによる二次感染(とびひ)を防ぐ
- ・発熱や痛みには、年齢・体格に応じて解熱鎮痛薬を使う
- ・シャワーや短時間の入浴は可能。発疹のある部位はやさしく洗う
当院での診断・治療
横浜市緑区の鴨居つむぎ小児科・皮膚科では、小児科と皮膚科を併設しています。 発疹の原因がわかりにくいケースでも、両科の専門的な視点から診察できる体制を整えています。
診断について
手足口病の診断は、問診と診察が基本です。 手足や口の中の特徴的な発疹を確認することで診断するため、通常は血液検査を行いません。手足口病を診断するための迅速検査もありません。
ただし、次のような場合は高次医療機関へご紹介します。
- ・脱水が強い場合
- ・髄膜炎や脳炎などの重い合併症が疑われる場合
- ・別の病気との見分けが必要な場合
治療について
手足口病はウイルス感染症のため、抗菌薬は効果がありません。
症状を和らげるために、必要に応じて次のような治療を行います。
- ・発熱や口の痛みに対する解熱鎮痛薬
- ・かゆみ止め
- ・口内炎用のうがい薬
- ・かきこわしによる皮膚感染(とびひ)に対する塗り薬や飲み薬
よくある質問
Q1. 手足口病はうつりますか?
うつります。発症後1週間は感染力が高く、便からは3〜4週間ウイルスが排出されます。 手洗いと排泄物の適切な処理が大切です。
Q2. 保育園・幼稚園はいつから登園できますか?
手足口病は法定の出席停止疾患ではありません。 解熱して普段通り食事ができれば登園可能なことが多いですが、感染力は残るため、手洗いを徹底してください。 園ごとのルールも確認しましょう。
Q3. 特効薬やワクチンはありますか?
現在、手足口病の特効薬やワクチンはありません。 基本は対症療法で、痛みを和らげながら自然に回復するのを待ちます。
Q4. 口の痛みで水分が取れません。どうすればよいですか?
麦茶やイオン飲料を少しずつこまめに与えてください。 刺激の少ない、ゼリーなど喉ごしのよいものもおすすめです。 水分補給が難しい場合は、早めの受診をご検討ください。
Q5. 爪が剥がれてきました。受診が必要ですか?
発症から数週間後に爪甲脱落が起こることがあります。 多くは自然に新しい爪が生えてきますが、手足口病によるものかどうかを含めて、一度ご相談いただくと安心です。
関連ページ
お子さまの症状について、こちらのページもあわせてご覧ください。
院長からのメッセージ
手足口病は、お子さまの口の痛みや発熱で、保護者の方も不安になる病気です。 「ご飯を食べてくれない」「手足以外にも発疹があるけれど本当に手足口病?」など、 悩まれることも少なくありません。
手足口病という名前なのに、ひざやおしりなど他の場所に発疹が出ることがよくあります。
また、発症初期には水ぼうそう(水痘)と区別が難しいこともあります。
当院では、小児科と皮膚科の両面から、お子さんのつらい症状を少しでも和らげるお手伝いをいたします。 JR横浜線の鴨居駅から徒歩1分の立地で、近隣の神奈川区、都筑区、港北区などからも多くご来院いただいています。 「ただの湿疹かな?」「病院に連れて行くべきかな?」と迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。