アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は湿疹を繰り返し、強いかゆみを伴うため、日常生活に大きく影響する疾患の一つです。「しつこいかゆみや湿疹に悩んでいる」「塗り薬を塗っているけどよくならない」と、深いお悩みを持たれている方は多いように思います。一方で、アトピー性皮膚炎は近年治療法が急激に進歩している分野でもあります。新しい塗り薬、飲み薬や注射薬など選択肢が増え、より良い状態を維持しやすくなりました。
当院では、皮膚科専門医・アレルギー専門医が重症度やかゆみの程度を的確に判断し、適切な治療を提案いたします。負担を減らせるよう、塗り薬の塗り方はなるべくシンプルな方法をお伝えするようにしています。どうぞ一度当院へご相談ください。
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が慢性的に続き、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚疾患です。その原因は主に以下の3つが絡み合って起こります。
ご自身やご家族に、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーがある方(アトピー素因)に多く見られます。体質的な要素もありますが、適切な治療と毎日のスキンケアを継続すれば、症状をしっかりコントロールし日常生活を送ることが可能になってきています。
強いかゆみ
昼夜を問わず強いかゆみがあり、掻きむしることでさらに悪化します。
特徴的な湿疹
赤み、ブツブツ、ジュクジュクした状態から、長引くと皮膚がゴワゴワと厚くなる(苔癬化)状態になります。
左右対称の分布
左右対称に症状が現れることが多く、おでこ、目の周り、首、ひじの内側、ひざの裏側などに好発します。
慢性的な経過
乳児では2ヶ月以上、幼児から大人では6ヶ月以上症状が続くと「慢性」と判断されます。
最初は頬や額、頭に湿疹ができ、次第に耳や口の周りへ広がります。成長とともに、首まわりや、肘・膝の関節の内側に症状が出やすくなり、体や手足にも広がっていきます。かきむしってしまうと「とびひ(伝染性膿痂疹)」などの感染症を引き起こすこともあるため、早めのケアが大切です。
子どもの頃から続く方もいれば、大人になってストレスや環境の変化をきっかけに発症・再発する方もいます。首やわき、体や手足などが悪化しやすく、皮膚がゴワゴワと厚くなることもあります。仕事や家事の忙しさから受診のタイミングを逃し、強いかゆみによって睡眠不足になるなど、生活の質(QOL)を大きく下げてしまうことが問題です。
当院では、患者様一人ひとりの症状と重症度に合わせて、無理のない治療計画をご提案します。
症状に合わせて、ステロイド外用薬やプロトピック・コレクチム・モイゼルトを使い分け、たっぷりと塗ることでまずは炎症を鎮めます。大切にしているのは、「良くなったからといって急に薬をやめないこと」です。症状が治まっても、見えない炎症が残っているため、徐々に薬を塗る間隔を空けていく「プロアクティブ療法」の塗り方を丁寧にご指導します。
症状が落ち着いている時期の「保湿」が、再発予防の鍵となります。お肌の状態に合った保湿剤の選び方や、たっぷりと優しい塗り方、正しい体の洗い方など、ご自宅でできるケアをアドバイスします。
汗をかいた後のケア、衣類の選び方、ハウスダストやダニを避ける方法など、日常に潜む悪化の原因を一緒に見つけて対処していきましょう。アレルギー採血を併せて行うこともあります。
塗り薬だけでは改善が難しく重症度が高い場合、以下の治療も提案可能です。近年、アトピー治療は飛躍的に進歩しています。是非ご相談ください。
光線療法
(エキシマライト)
治りにくい部分に紫外線を照射し、かゆみや炎症を抑えます。
生物学的製剤(注射)
デュピクセント・イブグリース・アドトラ-ザ・ミチーガなど、重症度や症状に応じて提案します(自己注射の指導も可能です)。
JAK阻害薬(内服)
オルミエント・リンヴォック・サイバインコなどの内服が望ましい場合は、適切な医療機関へのご紹介も検討します。
乾燥を防ぐ毎日の保湿は非常に重要ですが、すでに「赤み」など炎症が起きている場合は、保湿だけでは消えません。塗り薬で炎症を抑えつつ、保湿剤を組み合わせることが改善への最短ルートです。
ステロイドは、皮膚で起きている強い炎症(火事)を鎮めるためのお薬です。最初はたっぷり塗って、一気に炎症(火事)を消し止めることが重要です。たっぷりの目安は、よく「ティッシュがくっつくくらい」とお伝えしています。症状が落ち着いてきたら、塗る間隔を徐々に空けていく(プロアクティブ療法)やプロトピック®軟膏やコレクチム®軟膏など)に切り替えていくことで副作用のリスクを最小限に抑えていきます。当院では塗り方に関しても丁寧にお伝えします。
乳児期に湿疹が多くても、2-3歳頃や、小中学生になるにつれて肌のバリア機能が育ち、自然と改善していくお子様はたくさんいらっしゃいます。一方で大人になっても続く方もいますので、今の時期からしっかり炎症を抑えるケアをしていくことが大切です。
嫌がるお子様に無理やり塗るのは、保護者の方にとっても大きなストレスだと思います。ベタつきの少ないお薬(ローションタイプや泡タイプ)に変更したりすることで、解決できることもあります。負担を減らせるようにお薬選びを一緒に考えます。
従来の塗り薬だけでなく、特定の部位に当てる「光線療法(エキシマライト)」や、重症度が高い場合には「注射薬(生物学的製剤)」「内服薬(JAK阻害薬)」など、新しい選択肢が格段に増えました。ぜひ一度、ご相談にいらしてください。
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